緑内障は眼科の治療が必須です。ここでは、それを補助するツボ療法を紹介します。緑内障を東洋医学の観点からみると眼を司る「肝経」及びそれと関連が深い「胆経」という経絡の失調で、肩こりや眼の使い過ぎによる単なる眼精疲労とは違うとらえ方をします。特に、眼の水液、血の代謝不良と考え、「肝経」、「胆経」のなかでもこの改善を狙ったツボを使います。加えて、緑内障の特効穴、全身の血行を良くするツボを使います。非常に長い年数になると思いますが、毎日施術をしてください。
1. まず、「肝経」、「胆経」の主要穴です。
①右図「行間」 (第一、第二中足指節関節の前陥中)
「太衝」 (第一、第二中足間を圧上して指の止まるところ)
②右図「陽輔」 (外踝の上、指5本(片手)弱且つ5mm前方で腓骨の前のくぼみ)
このツボは腓骨の前縁になりますが、腓骨上も押して圧痛のある方を取ってください。
「光明」 (外踝の上、指4本+3本弱且つ腓骨の前方)
この位置の下あたり(外踝の上指5本)の圧痛も探り、治療点としてください。
2. 涙液の流れ、血行を良くするツボです。
①右図の外後頭隆起の上下の横の線を押します。
目安として、
右図b1外後頭隆起の下の線(2本)、
b2外後頭隆起の上の線、
を中心部から側頭部にかけて押してください。
b1の線は念入りに押してください。
b2の線上には「脳戸」、「玉枕」、「脳空」というツボが並んでいます。
「脳戸」 (頭部、外後頭隆起上方の陥凹部)
「玉枕」 (「脳戸」の外方指1.5本強の小さなくぼみ)
「脳空」 (「玉枕」の外方指1.5本弱(「脳戸」の外方指3本)のくぼみ)
且つ、耳尖(耳介の尖がった先)の指1本弱上から指4本ほど後方のくぼみ(「星状点(アステリオン)」)も念入りに押して下さい。
「星状点」 (ラムダ縫合、頭頂乳突縫合及び後頭乳突縫合の合点) お勧めです。
②右図「血海」 (大腿骨内側膝蓋骨内上角の上方指3本)
瘀血を取るツボとして有名です。
3. 特効穴です。
①右図「臂臑」 ひじゅ (肩峰の外端で肘を上げると2つのくぼみが生じ、その前のくぼみより指4本下)
上肢を下ろした場合は5横指、三角筋前縁にとります。ほぼ、前脇下横紋端の水平線上です。圧痛、しこりを探して、少し長めに押します。お灸も良いです。昭和の名灸師と呼ばれた深谷先生が推奨したツボです。
「還晴」 (肩の付け根と肘の中間)
定評のあるツボです。
②右図「攅竹」 (眉毛内端の陥中)
親指か中指で上45度の方向に押し上げます。他の指は必ず支えに回してください。このツボもお勧めです。
4. 手軽にできる手のツボと目の温罨法です。
①右図「大骨空」 (親指を屈して第一関節背側の骨上の中点)
親指の第一関節には目に良いツボが3つあり、その一つが第一関節骨上の中点、もう一つが第一関節横紋頭尺側(「眼点」とも呼ばれる)、さらにもう一つが横紋頭橈側です。特に、親指を屈して第一関節の骨上の中点がお勧めです。目の痛みにも良いツボです。
お灸をお勧めします。熱くなるまで壮数を重ねます。
②手のひらを熱くなるまで(20~30回)こすり、両眼に軽くかぶせ、1分間そのままにし、温めます。貝原益軒先生も「養生訓」で勧めている手法です。
市販の温罨法用のツールを使っても結構です。