ツボ療法と言うとじっくり治していくイメージがありますが、意外に即効性もあります。テーマの言葉通り、困ったときの応急的な対処法を列挙してみました。私も含め、その効果を実感しているツボです。
1. 高血圧
人間ドッグまたは健康診断の血圧測定の時に、数値がいつもよりかなり高めになることはありませんか。検査をする方から、深呼吸をして、少し間をおいて測りましょうと言われます。そんな時の対処法です。
右図「降圧溝」 (耳の上部外側の裏側に縦及び斜めに走っている溝)
「耳背溝」とも言います。耳背に対輪と対輪上脚、対輪下脚により作られるY字型の溝があります。耳輪の上の方を横に引っ張るとY字型の溝が良くわかります。その溝を人差し指で上下に20~30回こすります。即効性はありますが、続けないと戻ります。
2. 動悸
急な激しい動悸が起きた時の対処法です。
右図「少衝」 (小指の橈側端爪体の角を去ること2mm)
歯で少し強めに噛みます。特に左手です。
3. ぎっくり腰
ぎっくり腰や急性の腰痛の時の対処法です。
右図 「腰腿点」(片方の手の甲に二つあり、人差し指と中指の間の溝、薬指と小指の間の溝をそれぞれ手首の方に向かってたどり止まるところ)
中手骨という骨が接する手前のくぼみに当たります。
場合により、もう少し手首に近いところに圧痛があるときもあります。くぼみを、円を描くように押します。特にぎっくり腰には薬指と小指の間の溝のほうが効きます。
4. 歯痛
歯痛には合谷という万能のツボが最適です。
右図「合谷」 (第一、第二中手骨の基底部の前陥凹部にとる。やや人差し指側)
人差し指側にとるのがコツです。ピップエレキバンを貼り、時々強く押します。
5. 下痢
電車の中で急な下痢の症状になった時の対処法です。少しでも症状が出た時に対処してください。
右図「腹瀉点(下痢点)」 (手の甲側、中指と薬指の間の溝を手首の方に向かってたどり、止まるところ)
少しツボのところが腫れているときもあります。トイレに駆け込むまで強めに押し続けます。次の駅までの時間を稼ぐことができます。
6. 便秘
便秘には定評のあるツボです。
右図「沢田流神門」 (手首の小指側の真横、骨と骨の間)
親指の先を神門に当て次指の付け根のほうに押します。
7. 緊張ほぐし
気持ちを落ち着かせるツボはいくつかありますが、特に緊張を取るに次のツボです。
右図「手心」(手のひらの中央のへこんだところ)
8. 口内炎
少しでも症状が出てきたら、右図「口内点」 (手のひらの中指付け根)というツボを爪で強めに押し続けます。常時刺激を与えるためにピップエレキバンを貼ることが望ましいのですが、手元にない場合、とにかく繰り返し押し続けます。両手です。
9. しゃっくり
しゃっくりを止めるツボです。
右図「天突」(胸骨脛切痕の上縁陥中)
人指し指を曲げてかぎ状にして下にやさしく押し込みます。
強く押したり、垂直に押さないでください。
10. かゆみ
かゆみによく効く特効ツボです。
右図「かゆみ反応点」 (薬指と小指のまたの間から、1/3下がったところ)
11. おなかにガスがたまる
おなかにガスがたまり、立っていられなくなるような辛い症状への対処です。右図の大腸の反射区を数字の順に押していきます。2と3のラインはリスフラン関節の少し下方(但し、第四中足骨基底部では同関節の上方)、5のラインは内髁と外髁を結んだ線になります。特に5のマル印のところが極端に痛いはずです。強めに15秒ぐらい押し続けます。
12. 乗り物酔い
乗り物酔いに定評のあるツボです。長時間、弱い刺激を持続できるピップエレキバンを貼ってください。乗り物に乗る前日から貼っても結構です。欧米ではつわり対策としてこのツボを利用した指圧バンドが市販されています。
右図「内関」 (腕関節掌側横紋の正中から肘に向け指2本)
13. 爪の痛み
深爪やドアに指の爪が挟まれて、爪が痛い時の対処です。痛い爪の正中線上で3等分し、上から1番目の交点を片方の親指の爪で十文字に押します。即、痛みが和らぎます。
14. 寝違い
寝違いの特効ツボです。
右図「頸項点」 (手をグーにして、人差し指と中指の骨の出っ張りの間)
「落枕」 (上記頸項点から約1センチ下がったところ)
寝違いの特効穴です。
「咽頭点」 (手をグーにして、中指と薬指の骨の出っ張りの間)
a (「咽頭点」から約1センチ下がったところ)
15. 五十肩
五十肩の特効ツボです。
右図「四十肩・五十肩点」 (足裏の薬指と小指のまたから2cm下)
五十肩を患っている側の足裏のこのツボに圧痛があります。足の甲側を支えて指圧棒で押し込みます。ピップエレキバンを貼っても結構です。歩行には影響を与えません。
16. お風呂でののぼせ
おふろでのぼせた時の対処です。
「湧泉」(足の五指を屈し足底中央の最も隅なるところ)
17. 立ちくらみ
右図「翳風」 (耳垂後方、乳様突起下端前方の陥凹部)
耳たぶの後ろにあり、口を開けば陥凹部が現れます。口を軽く開けた状態で押します。
「瘈脈」 (耳の上角と翳風の耳の輪郭に沿って結ぶ曲線上、翳風から1/3で乳様突起中央の陥中)