体温を上げて免疫力をUPしようという話はネットや本でよく見かけます。しかし、その人の体質や時と場合によって、体温を上げる方法を間違えると体調が不良になるケースがあります。冷え性タイプの人や風邪を引いたときの回復手段として体を温める必要はあります。しかし、そうではない場合、体を温めること、特に外部から、たとえば、厚着をしたり、暖房を強くしたりすることは逆効果になります。今年の冬の自分がその一例です。
昨年12月肺炎、今年2月気管支炎、3月風邪に2回かかりました。ここ数年病気で医者に行ったことがない自分にとっては最悪です。4回とも半日程度寝ただけで、医者に行っては抗生剤を飲むという繰り返しです。肺炎で懲り、免疫力をUPしようと結構厚着をしました。2月から3月にかけて寒暖の差があるのにもかかわらず、同じ格好でした。且つ、思い当たることもなく腰も痛めました。体調が万全でない状態が続き、4回目の後、厚着を止めました。その後、やっと体調が戻り、今に至っています。これからも寒暖の差があり、検証は続きますが、貝原益軒の養生訓のなかに「凡そ衣をあつくき、あつき火にあたり、あつき湯に浴し、久しく浴し、熱物を食して、身をあたゝめ過せば、気外(ほか)にもれて、気へり、気のぼる。これ皆人の身に甚(はなはだ)害あり、いましむべし」とあります。その通りだと思います。また、次のようにも書いてあります。「冬は、天地の陽気とぢかくれ、人の血気おさまる時也。心気を閑(しずか)にし、おさめて保つべし。あたゝめ過して陽気を発し、泄(もら)すべからず。上気せしむべからず。衣服をあぶるに、少(すこし)あたゝめてよし。熱きをいむ。衣を多くかさね、または火気を以て身をあたゝめ過すべからず。熱湯(あつゆ)に浴すべからず。労力して汗を発し、陽気を泄(もら)すべからず。」