岸田直樹先生のベストセラー『誰も教えてくれなかった「風邪」の診かた-感染症診療12の戦略 第2版』に、次のような記述があります。
『「風邪の診かた」が近年,大きく注目されています。その一番の理由は「耐性菌の世界的驚異的拡大」という背景が大きいでしょう。実際,WHOの報告でも現状のままでは2050年に世界で年間約1,000万人がよくある感染症で死ぬ時代となると予測され,現在の日本の死亡原因第1位の癌を上回り、公衆衛生上の脅威とされています。この耐性菌の世界的急速拡大の最も大きな原因の一つが、風邪診療をはじめとした不適切な抗菌薬使用とされているのです』
2013年のデータですが、耐性菌による世界での年間死亡者数は70万人と推定されており、この年間約1,000万人という規模は、今回のコロナウイルスの死亡者数が2020/9/29現在100万人を超したという報道発表と現在の生活環境、社会的・経済的打撃を照らし合わせてみるとどれだけの脅威が襲ってくるのか想像ができません。
社会全体の総合的な戦略が必要となるわけですが、個人レベルでの対応も必要となります。この半年、「体質とツボ」に加え、「経絡とは何か」、「臓腑論とは何か」、「病因とは何か」、「老齢化・虚弱化への対応」、「老齢化・虚弱化への対応ツボ一覧図」と東洋医学の理論的な側面や高齢者向けの情報発信に取り組んできました。感染症に対して個人レベルでやれる対応は一言で言えば予防であり、免疫力強化ということになります。
ぜひ「老齢化・虚弱化への対応」、「老齢化・虚弱化への対応ツボ一覧図」を参考にしてください。特に高齢者の方にお願いしたいと思います。
もちろん、ワクチン摂取、手洗い、うがい(水)は必須です。
(注)
・耐性菌:抗生物質などの抗菌剤に対する抵抗性が著しく高くなった細菌
(参考文献等)
・岸田直樹(2019)『誰も教えてくれなかった「風邪」の診かた-感染症診療12の戦略 第2版』講談社.
・WHO最新ニュース (2019年05月16日)、『薬剤耐性菌の増加は危機的状況、国連など共同報告書』、 閲覧日 2020-10-03、 https://japan-who.or.jp/news-report/the-rise-of-drug-resistant-bacteria-is-in-crisis/
・厚生労働省健康局(2015年12月24日)、『薬剤耐性(AMR)に関する背景、国際社会の動向及び我が国における対応の現状について』、閲覧日 2020-10-03、https://www.kantei.go.jp/jp/singi/kokusai_kansen/yakuzaitaisei/dai1/siryou2-1.pdf