最近周りで「関節や筋肉の痛みがぶり返した」という方が多いですね。一様に「何もしていない、痛みの原因となることが思いつかない」と言います。しかも、なかなか治りません。この現象をどう捉えたら良いのでしょうか?
いくつか共通点があります。
・70歳以上の人が多い
・元の損傷はここ半年以内
・訴える症状は痛み、しびれ、違和感
・元の症状は1ヶ月程度のケアで寛解した
・ぶり返した要因が思いつかない
・動作痛が多い。何もしていないときは痛くない
・整形外科へ通院しても結果は芳しくない
臨床的に次のようなことがわかります。
・要因の元がわかりにくい←どの動作でそうなったのかわかりにくい
・普段の生活では痛みが出ないため、ケアを継続していない
・関節、筋肉、腱、体幹が老化し、固くなってきている→ちょっとした動きで損傷しやすい→炎症が慢性化しやすい
・痛みのある経絡の延長線上に症状が出る
・胆経、膀胱経のような左右の頭~足まである長い経絡が途中で交差していると仮定すると、痛みや違和感も左右交差していることが説明つきやすい⇒調べてみると、中国の古い医学書「黃帝内経霊枢」の中の「経筋篇」に、『左右交差している「経筋」というものには左を病んだ影響が右に出るという「維筋相交」という考え方がある』
・筋肉や腱、筋膜に痛みがあり、常に同じ箇所に痛みが出るわけでない→動作痛がポイント
教科書通りの特効ツボ押しではなかなか功を奏しません。
しかし、治し方をいろいろ探っていくなかで、いくつかヒントがあります。
・日常的に関節、筋肉、腱、体幹を伸ばす体操、ストレッチを習慣化していない
・ある動作をしたときに痛みがある場合、その動作をしたまま痛みがある筋肉を探ると圧痛や著明な痛みがある箇所が見つかる
・その動作をしたまま、その痛みがあるところを長押しすると痛みが止まる→トリガーポイント手法を応用する
・一旦おさまるが再発する→再度上記の手法を行う→繰り返す
・痛みが出やすい動作を避けてください。
[注] トリガーポイント:筋・筋膜性疼痛症候群の原因として、関連痛がある筋肉にその原因となるポイントがあり、そこを探るとこりや痛みがある。