《応急処置》
1. まず、朝、電車の中で急に下痢の症状になったときの対処です。少しでも症状が出始めた時に行ってください。完全に止まるわけではありませんが、時間稼ぎができます。
その方法は右図の「腹瀉点(下痢点)」というツボを押します。手の甲側、中指と薬指の間の溝を手首の方に向かってたどり、止まるところです。手の甲の中心部から 少し薬指寄りのところにあります。強めに押し、断続的に刺激を与えます。且つ、長時間例えばトイレに駆け込むまで続けることです。刺激を与えることをやめると症状がまた出て来ることがあります。左手のほうが効くようです。
2. もうひとつ急性の下痢に対応するツボです。
右図「梁丘」 (膝蓋骨外縁の上方指3本)
《慢性的な下痢への対処》
脾胃が弱ると消化機能が低下し、気血が不足し、からだが冷えやすくなります。以降の項番がお勧めです。
3. 慢性的な下痢に対するツボです。日常的に押すことを勧めます。
①臍の周りの四方穴です。お勧めのツボです。
右図「水分」(臍の上、親指幅1本)
「肓兪」 こうゆ (臍の左右指1本)
「陰交」(臍の下、親指幅1本)
おなかのツボはやや前かがみでおなかをへこませて中指で押します。 ピップエレキバンを貼るのも有効です。難点は長期間貼るとかぶれます。また、貼り続けると便秘になります。注意してください。
②頻繁に透明の粘液だけが出る場合があります。ガスもよくたまります。この場合は、上記①のツボに加え、夜寝るときにお腹にタオルを当て、温めてください。冷えたときにこの症状が出ます。
但し、ピンク色が付いている場合はドクターに診せる必要があります。
③上記の症状が出た場合、使い捨てカイロを臍より下に貼ることもお勧めです。但し、低温やけどを防ぐため、タオル等にくるんでください。
《腸が弱い方向け》
4. 次のツボはおなかの調子を整えます。腸が弱い方へのお勧めです。
①右図「水分」(臍の上、親指幅1本)
「天枢」 (臍の両傍指2本半~3本)
「関元」 (臍から下指4本強)
②右図「足三里」 (頚骨突起の下際と腓骨小頭の下際とを結び、頚骨側から3分の1)
5. 足の反射区でおなかの調子を整える方法です。
足裏の「大腸ゾーン」への押圧です。1から5のラインです。2と3のラインはリスフラン関節の少し下方(但し、第四中足骨基底部では同関節の上方)、5のラインは内髁と外髁を結んだ線になります。
指圧棒または歯ブラシの柄の先でも結構です。右足から左足での数字の順番に押してください。次に、左右均等に抑え、抵抗または痛みがあるところを探します。その箇所に重点的に圧を掛け、抵抗が和らぐまでほぐしていきます。
あわせて「大腸ゾーン」に囲まれている「小腸ゾーン」(土踏まずのリスフラン関節より踵側)も押圧してください。腸は人の体の中で最大の免疫器官でもあり、第二の脳と言われています。「小腸ゾーン」は斜線部分です。